さて、明後日3月2日はアップルが新製品発表のプレスカンファレンスを予定して
います。
メディアに向けて1週間前に送られた招待状のデザインから、iPad2の発表である
ことは間違いありません。
というか、その発表されるべきiPad2のスペックについてもかなり細かいところ
まですでに情報がリークされているので、何か予想外のサプライズがあるかどう
かが注目点といったところでしょうか。
これまで、アップルの記者向け新製品発表はリアルタイムでストリーミング中継
されてきました。世界中のアップルファン、ガジェットファンがこの時間帯はパ
ソコンにかじりつき、ジョブスの一挙手一投足を見逃すまいと、聞き逃すまいと
ストリーミング中継を見ながら、チャットやtwitterなどで仲間と感想を交換し
あうのが楽しいイベントの一つとなっていました。
記者会見場と同じ時間帯に生活する我々はいいのですが(会社で仕事中の人は迷
惑?)、日本の人は夜中の三時という厳しい時間ですが、それでも毎回多くの日
本人もリアルタイムで見ているようでした。
今回、iPad2のスペックよりある意味で注目されているのは、誰がiPad2を発表す
るのかという点です。病気療養中のジョブスが特別に壇上にあがるのか、臨時の
最高責任者を勤めるティム・クックが登場するのか。あるいは、デザインを仕切
るジョナサン・アイブが壇上にあがるのか。
おそらく、無難な線としては:
・音声または動画でジョブスからのメッセージ
・フィル・シラーから、初代iPadがいかに売れているかの数値的報告
・ティム・クックから、iPad2の発表、ゲストパートナー企業の紹介
・ジョナサン・アイブからiPad2のデザイン面の説明
というような流れではないでしょうか。
無難だけどつまんないですよね。多分、かぶりついて最後まで見る人は激減する
でしょう。
そして、それはiPad2の初日売り上げ数に影響するのではないでしょうか。販売
開始後の売上数は製品の実力としても、初日売り上げのほとんどは、信者とも言
えるアーリーアダプターによるものです。
RBCキャピタルの調査では、「ジョブスがいなくなってもアップル製品を購入す
るか」というアンケートに84%の人がジョブスの存在はアップル製品の購入に影
響しないと答えたそうです。
でもこれ、いままで通りの魅力的な商品を魅力的に繰り出すことができるという
前提で、トップがジョブスでなくても、という事ですよね。
問題は、ジョブスがいなくなってもこれまでのように魅力的な製品を出し続ける
ことができるのかという点です。
すでに、アップル社内にはジョブスのDNAが浸透しており、トップが変わっても
ジョブスのDNAはアップルに生き続ける、という人もいます。
しかし、ちょうどこの時期にジョナサン・アイブがイギリスへ帰国したがってい
るという事が報道されるなど、すでにジョブスの吸引力が弱まりつつあることを
感じさせます。
ジョブスのDNAを強く受け継いでいる人たちは、ジョブスを失った後もアップル
に残るでしょうか。そのDNAには「自分が最も楽しい何かを見つけるまで妥協し
ない」という信念が埋めこまれていて、なにか新しい別の何かを始めるために
アップルを去ってしまうのではないでしょうか。
アップルが株主総会でジョブス後の人事計画についての情報公開を求められた際
に、競合からのヘッドハンティングのターゲットになる可能性があるとして、公
開を拒否したそうです。当然、競合はジョブスの吸引力を失った好機を逃さない
でしょうね。
でも、残念ながらいくら周りの人材を集めても中心となるジョブスがいなくて
は、同じように人を魅了する製品は作れないでしょう。考えて見れば、ジョナサ
ン・アイブだって、ジョブスがアップルにもどるずっと前からアップルにはいた
わけですから。
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